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【一日一話】「ラスト・シャーマン」第二章 第一話 背徳の決意

August 29, 2017

「張政から聞きました。本気で今回の職務を受けるつもりですか?」

「はい。唯一この国を護る術ならば」

 一晩彼なりに考えた答えに迷いはなかった。

「神に逆らうような行為なのよ?」

 壹与は思わず感情的になって声を荒げた。
 男鹿は無言で少女の目をまっすぐ見つめていたが、しばらくして穏やかな微笑みを見せた。

「地獄に堕ちるなら堕ちましょう。私はそれでも構いません」
 
 
第一話 背徳の決意

 
 
 
今回のお話で、男鹿はある決意をします。
その時のやり取りが上記のものですが、ここにはひとつ、重大な間違いがあります。
それは、「地獄」という言葉を使っていること。
実は「地獄」という概念は、大陸から仏教とともにもたらされたもので、弥生時代にはなかったと考えられるのです。
当時の宗教観を古事記から見てみると、世界は天上、地上、地下の三つに分かれていたとあり、地下が一般的に「黄泉の国」と呼ばれる死後の世界のことを表しています。
 
「黄泉の国に堕ちるなら堕ちましょう」
 
というセリフも考えてみましたが、地獄と黄泉の国ではニュアンスが違うような気がしますし、男鹿の決意の重さがいまいち伝わらないように感じました。
ということで、結局、ご指摘を受けることを覚悟の上で「地獄」という言葉を使うことにしました。
 
この他にも、拙作の中には、金銭のやりとりがあったり、文字が使われているなど、当時にはなかったとされているものがしばしば出てきます。
これらも、私が思い描く独自の弥生世界でのこととして、おおらかな気持ちで受け止めていただければ幸いです。

 

 

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