「男鹿! 壹与を頼む!」
「はっ!」
戸口のそばに立っていた男鹿は、素早く駆け寄り壹与を抱き上げると、白装束の女達を連れて部屋を出て行った。 第六話 巫女の涙 この回で、私が高校生の頃に書いた第一章は完結です。 この時から約四半世紀の時を越えて、第二章を書き始めました。 第一章を書いた頃、この回で登場する男鹿(おが)は、ほんの脇役でした。 でも、ここから彼は私自身も想像していなかったほど、重要な人物へと変貌していきます。 今後、彼の動向にも注視して、読み進めていただければと思います。 彼の名前の由来はすでに記憶にありませんが、おそらく秋田県の男鹿半島からとったのでしょう。 海産物が美味しく、景色の美しい場所のようなので、一度行ってみたいと思います。