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  • 執筆者の写真長緒 鬼無里

【一日一話】「ラスト・シャーマン」第三章 第二話 策略の戦

「……張政様。ひとつ伺ってもよろしいですか」

 少し間を置いて、男鹿は張政に問いかけ、老人は微笑みを浮かべながら頷いた。

「今回の戦は、魏の意向によるものですか」

 張政は目を見開き、驚きの表情を見せた。

「魏がこのような小国に、あなたを長年留め置き、親身に尽くして下さる理由が、ずっと分かりかねておりました。難升米が銀印を賜るのに値する人物かどうか、見極めるためであれば、とっくにその役目は終えているはず。ですが……」 第二話 策略の戦

張政(ちょうせい)は魏の役人で、邪馬台国に派遣され、その後20年近くを過ごしたとされています。 壹与を時には叱咤したともあり、政治に深く関わり、女王から信頼されていた様子がうかがえます。 しかし、その目的ははっきりしておらず、なぜ20年間も小国の倭国に留まり続けたのか疑問が残ります。 今回は、そんな疑問に対して私なりの仮説を立て、ストーリーに組み込んでみました。 イラスト/なな色みらん

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