「月読様にこのことをお話した時、最後の神託だけは様子が違ったとおっしゃっていました」
「最後の神託……」
それは、七日間続いた嵐をおさめるため、卑弥呼が祈祷し続け、命を落とした時くだされた神託のことだ。
「七日間も神託が聞こえないなど、それまでは一度もなかったと」 第八話 二人の母 私は、巫女の霊能力とは超能力ではなく、統計学のようなものだと思っています。 あらゆる知識や前例などを頭に詰め込み、私利私欲のない平等な立場で最善の答えを導き出す。 そのようなものだと思っているのです。 人は、誰かに対して守りたいとか、有利にしてやりたいと思った時点で、平等な判断をすることが難しくなります。 そのため、恋をしたり特定の者に心を奪われると、霊能力を失うという設定にしました。
このあたりについては、ブログでも書かせていただいていますので、興味をお持ちの方はご一読ください。 「巫女は古代の人工知能(AI)?」
イラストは、ブログの内容より。
私がイラストを描かせていただいた、高橋御山人さんのオーディオブックの表紙。