とうとう、印刷以外すべて手作りの同人本が完成いたしました♬
もうね。
はじめは持つ手が感動で震えましたよ。
「ああ〜、私の本だぁ〜」って。
無事完成いたしましたので、これからしばらく、そのプロセスや途中知りえた情報などを何回かに渡って綴っていきたいと思います。
私が気の利いた人間なら、リアルタイムで書いたかと思うのですが、すみません(汗)
完成品を手にするまでは、どんなものが上がってくるか不安で、皆さんにオススメできるものになるかわからなかったので、事後と云う形になってしまいました。
でもこうして現物を手にして、想像以上に素晴らしい本に仕上がってきてくれたので、自信を持ってオススメいたします♬
初回である今回は、皆さんが多分一番気になっていらっしゃるであろう、費用面について書かせていただこうと思います。
ズバリ費用を明示する前に、まず私が今回の本作りに際して押さえておきたいと思っていたポイントをお知らせします。
① 本文は、修正はしても削らないこと。
② 書店に並んでいても遜色のない仕上がりにすること。
③ 販売価格は、送料込みで1500円以内におさめること。
④ 購入特典に私のイラストを使った何かを付けること。
まず、一つ目の「本文は、修正はしても削らないこと」。
これが一番の難問でした。
「ラスト・シャーマン」は、ネットで公開している状態では約24万字ありました。
この文字数にはルビが含まれているほか、横書きで読みやすいように、句点の度に改行したり、会話文の前後は行を空けたりしています。
これらを省くと、最終的には約21万字となりました。(私の場合は、かなりルビのウエイトが大きいです)
それをまずは、普通に1段で流し込むと、約450ページとなりました。
450ページ…すごいボリュームです。
通常の単行本なら、上下巻に分けてもいいようなページ数です。
でも、2冊になってしまうと、購入していただく費用も2冊分になりますし、印刷費用も当然アップします。
そうなると、3つ目のポイント「販売価格は、送料込みで1500円以内におさめること」は現実的に難しくなります。
で、試行錯誤の結果、段組を2段にすることで、最終的に約360ページまで抑えることに成功いたしました。(それでも分厚いですけどね)
そのあたりの詳しい経緯はこちらをご覧ください。
話が前後してしまいましたが、私は今回、文庫本サイズではなく、少し大きめのサイズで本を作ることにしていました。
文庫本サイズは出版社によって微妙に異なりますが、調べた資料では縦148mm、横103mmでした。
でも、1000円以上払っていただくのに、文庫本サイズだと満足度が低いのでは?と当初から思っていたのです。
結果的には2段になったので、その点でも文庫本サイズではおさまりきれませんでしたので、よかったと思います。
文庫本の次によく使われるサイズが新書サイズ。
こちらは縦182mm、横103mmとなります。
つまり、横幅は文庫本と同じなので、縦に少し伸びた感じですね。
小説本を日頃からよく読まれている方には馴染みのあるサイズかもしれませんが、私は少し細長い印象を持ちました。
そこで、色々な本を見て回った結果、縦190mm、横130mmと言うサイズが自分の中で一番しっくりときましたので、このサイズにすることに決めました。
これは、マニュアル本や実用書などによく見られるサイズです。
サイズとページ数が決まり、いよいよ見積もりです。
今はネット上でたくさん印刷屋さんがありますので、とりあえずあらゆるショップを見て回りました。
でも私の場合、必然的に印刷屋さんは絞られていきました。
その要因は、多すぎるページ数です。
多くの印刷屋さんは、300ページ以上の製本は取り扱っていないのです。
表紙や帯までセットになった、魅力的なプランもありましたが、そちらも残念ながら220ページまでしか対応しておらず断念…。
でも一応、参考までにリンクを貼っておきますね。プリントキング
ページ数の条件を満たしてくれることで、次に考えたのはこちら。ちょ古っ都製本工房
こちらで自動見積もりをしてみると、カバー&帯無しで約85000円でした。(100冊・10営業日コース)
残念ながらこちらでは、カバーと帯は対応しておらず、それらを別で用意しなくてはなりません。
そこで、日頃よく仕事でも使わせてもらっているプリントパックで、カバーと帯の価格を調べてみました。
すると、カバーは8210円(A5版、100部、コート紙、折筋2箇所、7営業日)、帯は6610円(A6版、100部、コート紙、折筋2箇所、7営業日)でした。
これらを合わせると、約10万円というところで、1冊約1000円の原価となります。
かなりいい感じですね。
でも、このプランだとちょっと不安がありました。
この場合、カバーと帯を自分で巻かなくてはなりません。
手間は惜しみませんが、それって綺麗に巻けるのかな?という不安が一つ。
そしてもう一つは、本体とカバーを別々の会社で印刷してもらって、ぴったりサイズが合うのかな?という不安です。
背表紙の厚みは、ページ数や紙の厚みによって微妙に変わります。
特にカバーは多少の遊びがなければ、キチキチで読みにくくなりそうです。
かといって遊びがありすぎても不格好でしょう。
でもそれを、製本経験のない私が判断するのは難しいと考えました。
そこで、10万円かけて大きな賭けに出るより、多少コストが上がっても、全てをお任せできる印刷屋さんを改めて探すことにしました。
そうしてようやく見つけたのがスピード冊子印刷です。
冊子専門とトップ画像に掲げられているだけあって、様々な製本方法が選べ、1冊からでも作ってくれるという点に惹かれました。
こちらでも自動見積もり機能がありますが、カバーや帯付きというのはイレギュラーなため、個別見積もりをいただきました。
その見積もり内容がこちら。
100冊:82,404円 + カバー代24,840円 =合計:107,244円(税込)
後日、帯代の見積りもいただきました。(実は帯をつけるかどうか、最後まで迷ってました)
100枚:7,560円(税込)
合計114804円。
1冊の原価は約1150円。
若干高くなりますが、今回は安心を買うことにして、こちらの会社にお願いすることにしました。
本の価格はこれで決まりましたが、4つ目のポイントである「購入特典に私のイラストを使った何かを付けること」も考えなくてはいけません。
「誰得?」と失笑されそうですが、感謝の気持ちを何か形のあるもので表したいと思ったのです。
当初はミニイラスト集でも付けられたらと思いましたが、イラスト集にできるほどイラストを描く時間が取れず、予算的にも厳しそうでしたので、今回はポストカードを付けさせていただくことにしました。
ポストカードの印刷は、先にもご紹介したプリントパックでお願いすることにしました。
こちらでは両面カラー刷りポストカードが、100枚で980円(8営業日)となります。(この価格でも税&送料込み!)
裏面もカラー印刷というプランですが、さりげない感じにしたかったので、あえてモノクロにしました。
1枚約10円で、3枚セットで約30円。
これもなんとかクリアできました。
そして、最後に送料。
「販売価格は、送料込みで1500円以内におさめること」というポイントを押さえるためには、送料をなるべく安く抑える必要があります。
少し前なら、ヤマト運輸のメール便というものがありました。
しかし、それが廃止されましたので、それに代わるものがないかと探したのです。
梱包資材代などを含めると、すでに原価は1300円近くになっています。
目標金額まで、あと200円…。
そして見つけたのが、郵便局のクリックポストです。
こちらはYahoo! JAPANのIDを持っている人のみが利用できるサービスですが、規定内のサイズと重量を満たしていれば、全国一律164円で発送できます。
ポストに投函できるという気軽さですが、追跡サービスもついているので安心です。
ただ、郵便事故や損傷があった場合の保証がついていないことや、手渡しではなくポストに届けられること。届くまでに数日かかる場合があるなど、それなりのデメリットもありますので、その点は了承の上でということになります。
今回の私の本であれば、規定内におさまりますので、こちらを利用することにしました。
ということで、仮に100冊全部が売れたとしても、ほぼ利益はありません(笑)
それ以前に、数十冊は本を作るに際してご協力いただいた方々にプレゼントさせていただくので、最初から赤字決定です。
それでも、いずれは外伝である「花蓮〜ファーレン〜」も書籍化したいと考えていますので、多少でもその費用として還元できればと思っています。
そして何より、長年の夢であった「自分の作品を妥協のない状態で書籍にする」という夢が実現できたことに喜びを感じています。
これも、多くの方々にご協力いただき、励ましていただけたからこそと、今はただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
本当に、ありがとうございました♬
※それぞれの見積り価格は、私が調べた時点のものです。価格は変動しますので、ご利用の際は各企業に改めてご確認ください。
※今回の見積り価格には、制作費用は一切含まれておりません。
追伸
「ラスト・シャーマン」書籍版は、2016年3月9日発売いたします。
こちらのフォームに必要事項を書き込んで送信していただければ、ショッピングページのアドレスと、入店用のパスワードをお知らせいたします。(現在は準備中となっています)
お手数ですが、購入をご希望の方はよろしくお願いいたします。