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  • 執筆者の写真長緒 鬼無里

今更ながらWordってすごいなと思った話

なんと、同人本制作に向けての改稿はまだ続いています。

「時間、かかり過ぎだろ!」と言われそうですが、はい。確かにかかり過ぎだと思います。

印刷屋さんにも、「見積もり出すからページ数を早く教えて」と言われているのですが、改稿によりページ数が変動するので、まだわからないと待っていただいている状態です。

「そんなんで、ブログを書いてる場合じゃないだろ」とも言われそうですが、こちらは私にとって覚え書きであり、また、今後書籍化を考えていらっしゃる方々の少しでもお役に立てればと思って書かせていただいています。

今回の記事はWordに詳しい方々からすれば、わかりきったことばかりかもしれませんが、書籍化する過程で私が個人的に使って便利だった機能をご紹介させていただいています。

ご覧いただき、少しでも参考にしていただければ幸いです。

私が今、行っている作業の流れはこんな感じです。

1回目 文章のおかしなところや、誤字脱字を修正する。

2回目 ルビを打ちながら再度確認。見落としや納得のいかないところがあれば直す。←今ココ

3回目 読み上げアプリで耳で聞きながら、微修正して仕上げる。

今2回目の改稿中で、校正しながらルビを打っていて、それが五分の三まで終わったところです。

ルビを打つのに際しては、まず、色々ルールを決めました。

なろうに掲載しているものでは、私はしつこいほど人名などにルビを打っています。

それは、内容が古代のもので、人名や地名の読み方が難しいため、読者さんに「これってなんて読むんだっけ?」と途中で詰まっていただきたくないとの思いからです。

でも、ある創作仲間さんに、「縦書きで見るとルビが少ない方がすっきり見える」とのご意見をいただき、「一話ごと、初めてその漢字が出てきた時だけ打つ」ということに決めました。

私は、編集はInDesignで行うつもりですが、改稿段階ではWordを使っています。(Pagesでは縦書きができなかったため)

Wordにはとても便利な機能があって、データ内に使われている同じ漢字に、一斉にルビを打つというものがあります。

でも、「一話ごとに一回だけ」となると、手で打っていくしかありません。しかも、「これって、この回で出てきたの初めてだっけ?」と新たな悩みが生じたり…。

次に、「一般的に、これって読めるんだろうか?」という漢字の存在。私は、「跪く」とか、「頷く」といった漢字を多用するのですが、こういう漢字って、みんな普通に読めるのかなと。で、こちらは思い切って「ひざまずく」「うなずく」とひらがなで表記することにしました。そして、こういう表記は、統一されていないといけませんよね。

これらの文字の洗い出しにも、Word(2010の場合)の機能を活用しています。例えば「頷」という文字を探す時、ホームタブの編集項目にある「検索」を使います。(右図)

上の空欄に「頷」と打てば、その文字が出てくる文章の前後が全て表示されます。

そして、表示されたマスをクリックすると、その文章のある場所へジャンプして、効率的に修正することができます。

※「頷く」としなかったのは、送り仮名が違うものも全て洗い出すためです。

でも、ひとつひとつ(この場合だと83カ所)直すのは、なかなか大変ですね。そういう時は、同じ編集項目にある「置換」を使用します。(下図)

こちらにこのように記入し、「すべて置換」をクリックすれば、データ内にあるすべての漢字をひらがなに置き換えてくれます。(便利ですね!)

こうして、ルビを統一できたところで、今度は校閲タブの文字校正項目にある「スペルチェックと文章構成」という機能で、誤字脱字をチェックします。

そのチェック画面はこんな感じ。

この場合、Word先生が、「違和感を感じる」っておかしいよ!「違和感を覚えて」とかどうよ?と教えてくれています(笑)

この他にも先生は、助詞の連続とか、入力ミスなども教えてくれます。

ただ、こちらの作品の場合、雰囲気を出すために、特殊な言葉遣いを多用していて、先生はそれらも全てチェックしてくれるので、その数は膨大になりました。

それでも、自分では見落としていたミスも拾ってくれるので、大変ありがたい機能です。

このように、Word先生はとても優秀なのですが、一番手こずっているのは、文章の修正です。

改めて読み返してみると、おかしな文章が多いので、それを書き直すのに苦心しています。

例えばこの一文。

****

 男鹿は、戸口の外の回廊越しに空を見上げた。  西の空には、雲ひとつない、見事な茜色の夕焼けが広がっていた。

「明日は晴れそうですね」

 壹与は、立ち上がり、回廊の柵に手をかけて空を見上げる男鹿の隣に並び、同じように柵にもたれかかると、燃えるような空を仰いだ。

****

台詞の後の文章がやたら長く、色々な要素を詰め込み過ぎているため、主語が誰なのかわかりにくくなっています。

また、男鹿が回廊に出たという説明がないのも気になります。

伝えたいのは

1、男鹿は背を向けたまま回廊に出て、西の空を見ている。(壹与と目を合わさない)

2、西の空は雲ひとつない茜色。(天気予報の根拠)

3、男鹿の後を追って壹与も回廊に出る。(状況)

4、二人は隣に並び、空を見ている。(状況)

5、壹与は欄干に手をかけている。(この後の文章で必要な要素)

ということなので、それらを台詞の前後に振り分け、以下のように直しました。

****

 男鹿は背を向けたまま回廊の端まで歩みを進め、西の空を見上げた。

 そこには雲ひとつない、見事な茜色の夕焼けが広がっていた。

「明日は晴れそうですね」

 あとを追うように回廊に出てきた壹与も、彼の隣で欄干に手をかけ、燃えるような空を仰いだ。

****

この文章に至るまで、実に2時間近く悩んでしまった私(汗)

文章力の無さが悲しい…。

まだ納得しきれていませんが、今のところはこれで精一杯という感じです。

こんな調子で、改稿作業は遅々としてはかどりません。

この作業が終わったら、最後は耳で聞きながらリズムがおかしい部分を直して行こうと思っています。

私は目で文字を追うのが苦手ですし、文章にはリズム感を持たせたいと思っているので、その作業が不可欠なのです。

とりあえず、これら全ての作業をなんとか来週中に終わらせ、なるべく早く、編集作業に入っていきたいと思っています。

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